Runner’s World誌において「最高のトレーニング本」と評価された、ダニエルズ式マラソントレーニング。
トレーニング計画に関する本を何冊も読んできましたが、この本ほど『レベルごとの設定ペース』『インターバルをこなす本数』『それぞれの練習の意味』が明らかにされた本は他にありませんでした!
本書の中では強度を5段階に分類していますが、その中でもR(Repetition):レペティショントレーニングについて説明します。
目次
レペティショントレーニング(Rトレーニング)
Rトレーニングのペースでランニングをすると、通常は2分以下で最大心拍数に達します。
心拍数を基準にするよりも、後ほど説明するVDOTにて計算しましょう。
Rトレーニングの目的
無酸素性作業能、スピード、ランニングエコノミーの向上です。
Iトレーニングよりも速いペースですが、目的は心肺能力の向上ではありません。
藻掻くこと無く、正しい走動作で速く走ることが必要です。
Rトレーニングの練習
Rランニングを行う時は、Rランニングの2~3倍の時間を休む、もしくはRランニングを同じ距離をイージージョグでつなぎます。
練習のパターンとしては、比較的容易なものとして以下のようになります。
(R:200m+ジョグ200m)×n本
(R:200m+ジョグ200m)×n本 +(R:400m+ジョグ400m)×n本
(R:200m+ジョグ200m+R:200m+ジョグ200m+R:400m+ジョグ400m)×nセット
(R:400m+ジョグ400m)×n本
もっと上級向けのメニューは本書をご覧ください。(まぁ見なくても上記の前提に従っていけばある程度組めるとは思いますが…)
つなぎのジョグが速くなって、Rランニングで藻掻く・速い動きができないということがないように気をつけましょう。
特に自分より速い人と一緒に練習すると、『ランで遅れる→ジョグで追いつこうとする→十分に休めない→更に遅くなる』という悪循環が発生しがちです。
nの本数は次に記載する1日あたりの上限距離から決めます。
Rトレーニングはどれくらい実施する?
練習1回あたりの走行距離は、8kmか週間走行距離の5%のどちらか短い方です。
- 月間200km、週間45km程度走る人⇨2.2km
- 月間300km、週間70km程度走る人⇨3.5km
上記の場合は200m×10や400m×5(2km)、(200m×8 +400m×4)(3.2km)程度になるかと思います。
意外なほど少ないのではないでしょうか?
その分、1本1本を集中して正しいフォームで速く走りましょう!
Rトレーニングはどのような人が実施する?
Mランニングがマラソンランナーだけに推奨されていたのに対し、RトレーニングはTランニングと同様に800m~10000mのトラックランナーからハーフマラソン、フルマラソンまで幅広い人に取り入れることが推奨されています。
マラソン対策の場合、まずRランニングでスピードや経済的な走りを身に着け、IランニングでVo2MAXを鍛えて、レースが近づくにつれてMランニング・Tランニングに移行していく形になります。
VDOTからのTランニングペースを計算
VDOTについては以下の記事で詳細に説明しています。
ダニエルズ式におけるVDOT(ヴイ・ドット)とは? 計算方法は本の表か公式サイトで!以下のサイトでVDOTの計算が出来ます。
Jack Daniels’ VDOT Running Calculator | Run SMART Project
マラソン、ハーフマラソン、10kmなどで、現在のタイムを入力しましょう。(目標タイムではなく、あくまで現在の走力に基づいてペースを決めます。)
この時、数字は半角で入力しましょう。
下に計算結果が出てきます。最初は【Race Paces】になっているので、【Training】を選択しましょう。
1kmの列を縦に見ていくと。それぞれのペースがわかります。
- サブ4:4分31秒
- サブ3.5:3分58秒
- サブ3:3分25秒
個人差はありますが、だいたい1500mのレースペースに近くなるかと思います。
上記のペースで、藻掻くことなくきれいなフォームで走りましょう!
まとめ
Rトレーニングの目的は無酸素性作業能、スピード、ランニングエコノミーの向上でした。
何度も言っていますが、この練習の目的は有酸素能力の向上ではありません。
練習ごとの目標をきちんと理解して取り組んでいきましょう!
ダニエルズ式マラソントレーニングのまとめ記事です。
【ダニエルズのランニング・フォーミュラ】VDOTで効率的に鍛えるマラソントレーニング!
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