ダニエルズ式における期分け(4つのフェーズ)とは?

Runner’s World誌において「最高のトレーニング本」と評価された、ダニエルズ式マラソントレーニング。

トレーニング計画に関する本を何冊も読んできましたが、この本ほど『レベルごとの設定ペース』『インターバルをこなす本数』『それぞれの練習の意味』が明らかにされた本は他にありませんでした!

本書の中では強度を5段階に分類していますが、それらをどのように組み合わせてトレーニング計画をしていくかについて説明します。

4つのフェーズ

ダニエルズ式では4つのフェーズに分けトレーニング計画を組てみ立てています。俗に言う『期分け』ですね!

  1. 【Eのみ】基礎の構築と怪我の予防
  2. 【E+R】スピードと経済性の向上
  3. 【E+R+I・T】有酸素能力の向上
  4. 【E+R+I・T・M】各種目に合わせピークに持っていく

しかし、必ずしも1~4の順番に実施する必要はなく、6週間以上定期的にトレーニングを行っているならフェーズ1を省略してもよく、4週間程度強度の高いトレーニングを中断無く継続している場合はフェーズ2も省略しても良いとしています。

個人的には、強度の高いトレーニングをしている人でも、スピードやエコノミーの向上を練習に取り入れていない人は2から実施するほうがおすすめです!

フェーズ1【Eのみ】基礎の構築と怪我の予防

ほぼ全てEランニングのみを行います。その中で数本のウィンドスプリントをいれたり、練習後に軽いレジスタンストレーニングやダイナミックストレッチングを実施します。

また、週に1回程度Eランニングのペースで長めに走る(Long:Lランニング)こともおすすめされています。

フェーズ2:【E+R】スピードと経済性の向上

新しいフェーズに映る時は、新しい刺激は1つに絞ります

EからRに移行すると新しい刺激はスピードのみです。一方、EからIに移るとスピードと有酸素の2つが新しい刺激になってしまいます。Rを実施してからIに移れば、Iでの新しい刺激は有酸素のみになります(Rの方がIより速いため)

なので、まずはRを追加することが推奨されています。

このフェーズではRを週2回取り入れ、間にはEランニングのみの日を2日挟んで回復させます。

また、週に1回のLランニングの継続も推奨されています。

フェーズ3:【E+R+I・T】有酸素能力の向上

ここが最もキツいフェーズになることが多いです。

基本的には『1週間の間にLランニング1回とポイント練習2回』のリズムは同じですが、種目ごとに内容も変化させます。

  • 短い距離の選手:スピードが重要なのでRを1日、Iを1日
  • 長い距離の選手:Iを2日、Iを1日とTを1日、Iを1日とT+Rを1日など

長い距離の選手でも時々Rを組み込むことで、フェーズ2でつけた力を落とさないようにしましょう。

フェーズ4:【E+R+I・T・M】各種目に合わせピークに持っていく

このフェーズでも種目ごとに差が出ますが、Tランニングを増やすことが推奨されています。

短い距離の選手の場合は1回のポイント練習の中でRとTを組み込みましょう。

長い距離が専門の場合はIトレーニングを実施せずTトレーニングに集中し、練習の最後にRを少し(200m×4~6本程度)実施しましょう。

※ただしレースの中で有酸素性システムを最大限追い込むような状況になる場合はIトレーニングも継続したほうが良いです。

各フェーズの長さは?

推奨される長さは6週間×4で24週間かけることです。

もちろんレースまでそれほど期間がない場合もあるでしょう。

その場合は『レースに影響がないところから削る』が基本です。

20週の場合
→①を4週、②を6週、③を6週、④を4週

16週の場合
→①を4週、②を3週、③を5週、④を4週

本書には他のパターンも細かく記載されているので参考にしてみてください。

まとめ

基本原則は以上です。

ポイントとなる考え方は以下の2点です。

  1. 新しい刺激はひとつずつ増やす
  2. 新しい刺激をメインにしつつ、1つ前の能力を落とさない程度に1つ前の刺激も取り入れる

計画的にトレーニングを実施していきましょう!

ダニエルズ式マラソントレーニングのまとめ記事です。

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