ダニエルズ式における閾値ランニング(Tランニング)とは?

朝のランニング

Runner’s World誌において「最高のトレーニング本」と評価された、ダニエルズ式マラソントレーニング。
トレーニング計画に関する本を何冊も読んできましたが、この本ほど『レベルごとの設定ペース』『インターバルをこなす本数』『それぞれの練習の意味』が明らかにされた本は他にありませんでした!
本書の中では強度を5段階に分類していますが、その中でもT(Threshold):閾値ランニングについて説明します。

閾値ランニング(Tランニング)

最大心拍数の88~92%程度で実施するランニングです。
(最大心拍数が180の場合、158~166程度)
おそらく、ハーフマラソンのレースペースより少し速いくらいになるかと思います。

比較的きつくはなっていますが、練習なら20~30分、休養をとってピーキングしたレースなら60分程度は維持できるペースになります。
一般には乳酸閾値であることからLT(Lactate Threshold)という言葉のほうが馴染みがあるかもしれません。

Tランニングの目的

血中の乳酸を除去し十分処理できる濃度に抑える能力を鍛えます。

簡単に言えば、少し速いペースで維持できる時間を伸ばす、もしくは30分~60分維持できるペースを速くするためのトレーニングです。

Tランニングの練習1『テンポ走』

20分間程度、Tペースで走り続けます。
ハーフマラソン程度のペースなので、20分ならそれほどきつくないはずなのですが…夏の暑い日などに実施するとかなりキツいです。笑

もう1つのクルーズインターバルとの違いは、『比較的キツいペースを維持する自信が付きやすい』とのことです。
精神面なんですね…

Tランニングの練習2『クルーズインターバル』

こちらはTペースランニングを短い休憩をはさみながら何本か繰り返します。休憩を挟むことで、テンポ走よりも長い時間の閾値強度の刺激をかけることができます。

休憩を挟んでいるからと言って、テンポ走より速く走る必要はありません。速いペースはインターバルの日まで取っておきましょう。笑

走行時間と休憩時間の比は5:1程度が推奨されています。

例)1.6kmのTランニング×5本(レスト1分)、3.2kmのTランニング×3本(レスト2分)

Tランニングの練習3『マラソン対策』

Mランニング中にTランニングを取り入れることもおすすめされています。これに慣れておくと、風やアップダウンによるペースの変化にも対応できるようになります。

例)M:12.8km→T:1.6km→M:6.4km→T:1.6km→M:1.6km

ただしこのボリュームが出来るのは月間400kmくらい走り込んでいる人になります。個人の練習量に応じてMランニングを減らすなど調整しましょう!

Tランニングはどれくらい実施する?

練習1回あたりの走行距離は、週間走行距離の10%を超えないことが望ましいです。

  • 月間100km、週間22km程度走る人⇨2.2km
  • 月間200km、週間45km程度走る人⇨4.5km
  • 月間300km、週間70km程度走る人⇨7km

一方で『持続的なテンポ走を20分できるのなら、クルーズインターバルにした時は合計30分は走りたい』とも記載されています。

同じ『月間200km』の人でも年齢・経験・レベルによって閾値ランニングの持続時間は異なると思います。10%にはこだわり過ぎず、各自の適切な距離を探っていくのがおすすめです!

Tランニングはどのような人が実施する?

Mランニングがマラソンランナーだけに推奨されていたのに対し、Tランニングは1500m・5000m・10000mのトラックランナーからハーフマラソン、フルマラソンまで幅広い人に取り入れることが推奨されています。

マラソン対策の場合、Mランニングだけの日、Tランニングだけの日、Mランニングの中にTランニングを取り入れる日など、練習に目的を持ってうまく組み合わせていきましょう。

VDOTからのTランニングペースを計算

VDOTの計算についてはこちらの記事を参照してください。

ダニエルズ式におけるVDOT(ヴイ・ドット)とは? 計算方法は本の表か公式サイトで!

いくつか例を挙げると、

  • サブ4:5分11秒
  • サブ3.5:4分35秒
  • サブ3:3分59秒

多少フルが得意・ハーフが得意といった差があるかとは思いますが、だいたいハーフマラソンより少し速いくらいになるのではないでしょうか?

まとめ

Tランニングの目的は少し速いペースで維持できる時間を伸ばす、もしくは30分~60分維持できるペースを速くすることでした。

Eランニング・Mランニングと比べると大分ハードになってきますが、トライアスロン・マラソンに置いて非常に重要な練習になるので、頑張って取り組みましょう!

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