Runner’s World誌において「最高のトレーニング本」と評価された、ダニエルズ式マラソントレーニング。
トレーニング計画に関する本を何冊も読んできましたが、この本ほど『レベルごとの設定ペース』『インターバルをこなす本数』『それぞれの練習の意味』が明らかにされた本は他にありませんでした!
本書の中では強度を5段階に分類していますが、その中でもM(Marathon):マラソンペースランニングについて説明します。
目次
マラソンペースランニング(Mランニング)
その名の通り、マラソンのレースペースでランニングをします。(最大心拍数の80~89%程度になります。最大心拍数が180の場合、144~160程度)
この練習は心拍数を基準というより、『今の走力でフルマラソンを走った時のペース』で実施することになります。
『目標とするペース』ではないことに注意を!
Mランニングの目的
以下の目的で実施します。
- 実際のレースペースに慣れる
- マラソンペースでの給水に慣れる
- 自信をつける
実際のレースペースに慣れる
マラソンではペースを上下させるとそれだけ体力のロスに繋がります。時計を見るのですら体力のロスに繋がるので、理想を言えば時計も極力見ずにペースを維持できるとベストです。
そこで、練習でレースペースに慣れ、どれくらいの速さで景色が流れていくかなど感覚を掴んでおきましょう。
『走った感覚』でペースを覚えるとペース時は疲労が抜けていることや興奮していることからオーバーペースになりがちです。『視覚的にどれくらいの速さで景色が流れていくか』の感覚もつかめるようになると良いです。
マラソンペースでの給水に慣れる
大会では給水やジェルの補給が必須になります。ある程度慣れておかないと、水分が全然摂取できなかったり、ペースダウンしてしまったりというトラブルに繋がりかねません。
こちらも練習から慣れておきましょう。
走りながら給水だと、外を走っている時は中々練習しにくいです。
そんな時はトレッドミルの活用もおすすめです!
自信をつける
普段練習で走れているペースなら本番でも自信を持って走れます。
逆に言えば、練習で走れていないペースで本番に突っ込むべきではありません。
実は生理的な効果はEランニングと同じ
上記の目的でも、Mランニングは精神的なものや慣れとなっています。
実は体に与える練習効果としてはEランニングと変わりません。
(1回の拍動での血流量の上昇、毛細血管新生の向上)
なので、マラソンに挑戦する時期以外はメリットの少ない練習と言えます。
Mランニングはどれくらい実施する?
練習1回あたりの走行距離は、週間走行距離の20%か29km以下にとどめましょう。
- 月間100km、週間22km程度走る人⇨4.4km
- 月間200km、週間45km程度走る人⇨9km
- 月間300km、週間70km程度走る人⇨14km
(実際はこのMランニングの前後にEランニングでアップやダウンを行います)
マラソン練習でよく言われる『30km走』ですが、Mランニングはそもそも上限が29kmとなっています。
本番2~3週間前にレースペースで30km走をやろうとする人をよく見かけますが、レースペースでそんなに長い距離を走るのは練習としての効果よりも怪我のリスク・リカバリーに時間がかかりすぎるなどデメリットが大きいと言えるでしょう。
Mランニングはどんな人が実施する?
生理的な効果がEランニングと変わらないことから、トラック競技を中心にしている人やトライアスロンのショートレースがメインの人など、マラソンに出ない人はあまりメリットがありません。
初心者の場合はEランニングをメインにして大会の2ヶ月前くらいから取り入れ、ある程度走り込んでいるマラソンランナーの場合は常時取り入れても良いでしょう。
VDOTからのMランニングペースを計算
VDOTの計算についてはこちらの記事を参照してください。
ダニエルズ式におけるVDOT(ヴイ・ドット)とは? 計算方法は本の表か公式サイトで!計算すればわかりますが、文字の通り、マラソンの平均ペースそのままですね!
まとめ
Mランニングの目的は以下の通りでした。
『実際のレースペースに慣れる』
『マラソンペースでの給水に慣れる』
『自信をつける』
生理的な効果はEランニングと変わらないとのことでしたので、それを意識して練習に組み込んでいきましょう!
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