Runner’s World誌において「最高のトレーニング本」と評価された、ダニエルズ式マラソントレーニング。
トレーニング計画に関する本を何冊も読んできましたが、この本ほど『レベルごとの設定ペース』『インターバルをこなす本数』『それぞれの練習の意味』が明らかにされた本は他にありませんでした!
本書の中では強度を5段階に分類していますが、その中でもE(Easy):イージーランニングについて説明します。
イージーランニング(Eランニング)
最大心拍数の65~78%程度で実施する、文字通りイージーなランニングです。
(最大心拍数が180の場合、117~140程度)
重要なのはキレイなフォームを保つことです。疲労などでフォームが崩れてしまう時は無理に走らないほうが良いこともあります。
一般的に言われる『ジョグ』ですが、心拍140となるとダラダラせずに、気持ち早めくらいのペースになります。
Eランニングの目的
以下の効果が期待できます。
- 怪我に対する耐性の向上
- 心臓の強化
- 毛細血管新生の促進
怪我に対する耐性の向上
ダニエルズ式では、インターバルや閾値走など高強度の練習を実施する量は、トータルの走行距離に比例します。つまり、Eランニングできちんと走り込んで怪我の耐性を向上して置かなければ、インターバルの本数を増やすのはリスクが大きいということです。
心臓の強化
1回の拍動で押し出される血流量は最大心拍数の60%からほとんど変わりません。
(もちろん強度を上げれば脈は速くなるけれど、1回の量はそれほど変わらない)
そこで、Eランニングのペースでしっかり走り込んで心臓を鍛えることが重要になります。
毛細血管新生の促進
ランニングをすると、ランニングに必要な筋肉に酸素を送る毛細血管が増えます。
これは、筋繊維に刺激を与えた時間が長ければ長いほど効果が大きくなります。
よって、長時間継続が可能なEランニングは毛細血管新生の促進に適しています。
Eランニングはどれくらい実施する?
ランニングは30分以上継続すると、練習効果が大きくなります。
なので、まずは30分以上継続することを目指しましょう。
ただし、1回あたりの走行距離は、週間走行距離の25%(週64km以下の場合は30%)にとどめたほうが良いです。
(耐性ができていないのにいきなり長い距離を走ってしまうと故障のリスクが上がる)
- 月間100km、週間22km程度走る人⇨6.6km
- 月間200km、週間45km程度走る人⇨13.5km
- 月間300km、週間70km程度走る人⇨17.5km
マラソン練習でよく言われる『30km走』を安全にこなすためには月間500km近く走れていないといけないということになりますね…
また、『時間的な上限として2時間半までにとどめたほうが良い』ともされています。
週間走行距離の25%(週64km以下の場合は30%)か2時間半、少ない方を上限としましょう!
Eランニングはいつ実施する?
ほぼ常時です。
ポイント練習の日のウォームアップやクールダウン、インターバルのつなぎ、ポイント練習の翌日など、積極的に取り入れていきましょう!
VDOTからのEランニングペースを計算
VDOTの計算についてはこちらの記事を参照してください。
ダニエルズ式におけるVDOT(ヴイ・ドット)とは? 計算方法は本の表か公式サイトで!いくつか例を挙げると、
- サブ4:6分13秒~6分35秒(本では6分03秒~6分46秒)
- サブ3.5:5分31秒~5分51秒(本では5分23秒~6分03秒)
- サブ3:4分48秒~5分6秒(本では4分38秒~5分14秒)
本(第三版)に乗っているペースのほうが少し範囲が広めですね!
また、あくまで『現在の実力』に対してペースを決めるべきであって、目標レースのペースで決めるべきではありません。
まとめ
Eランニングの効果は以下の通りでした。
『怪我に対する耐性の向上』
『心臓の強化』
『毛細血管新生の促進』
ケガの耐性を上げるためのEランニングで怪我をしたなんてことがないよう、走行距離の上限を守りつつ走り込みましょう!
ダニエルズ式マラソントレーニングのまとめ記事です。
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